窃盗事件等に関する注意喚起

令和7年11月28日
1 フランスでは、都市部を中心にスリ、置き引き等の窃盗犯罪が多発しています。在リヨン領事事務所に報告のあった邦人旅行者犯罪被害の事例をご紹介いたしますので、皆様の防犯対策の一助になれば幸いです。
 
【被害事例1】
リヨン市パール・デュー駅構内で地下鉄へ乗るチケットを券売機で購入する際、東ヨーロッパ出身と思われる女性が声をかけてきた。その後、同女性からエレベータを使うよう誘導され乗り込むと、後から複数の人が乗り込んできて取り囲まれた。エレベータから降りて地下鉄に乗ろうとした際に、旅券、クレジットカード、現金などが入った財布がウエストポーチから抜き取られていたことに気付いた。
【被害事例2】
 リヨン市パール・デュー駅構内で、スーツケースの上に置いていたショルダーバッグから数秒目を離したすきにショルダーバッグが盗まれた。ショルダーバックには旅券のほか、クレジットカード、IDカード等の入っていた財布が入っていた。
【被害事例3】
 リヨン国際空港からリヨン市内に向かうためローヌエクスプレスを利用し、地下鉄A線に乗り換えるためヴォー・アン・ヴラン駅で下車したところ、若い女性から英語で話しかけられエレベータに誘導された。エレベータに乗った後に数名の女性に不自然に取り囲まれた。気が付いた時にはショルダーバックから旅券、財布等が入ったポーチが抜き取られていた。
【被害事例4】
 リヨン市内をバスで移動中、未成年と思われる男女から英語で話しかけられ、少し違和感はあったが会話した。その後、バスを下車した際にショルダーバッグから財布がなくなっていることに気が付いた。
【被害事例5】
 リヨン市の高台にあるフルヴィエール教会からリヨン市内を眺めていたところ、黒い液体がコートにかかっていると隣にいたアジア系男性に言われた。同男性がコートを拭く手助けをしてくれたが、その後、ショルダーバッグからクレジットカード、現金、旅券、運転免許証が入ったポーチが盗まれていたことに気が付いた。
 
【窃盗被害対策】
 リヨン市及び近郊都市では、パール・デュー駅、ペラーシュ駅、ヴォー・アン・ヴラン駅で窃盗犯罪が多発しておりますが、その他の駅構内、公共交通機関内(バス、トラム等)及び主要観光地でも類似の犯罪が発生していますので、都市部では常に窃盗犯罪のリスクがあることを認識し行動してください。
 窃盗はグループ(見張り、注意を引く役、実行犯、壁役等)により行われるケースも多く、窃盗犯はあらゆる手段を使って被害者の気をそらし犯行に及びます。見知らぬ者から声をかけられた際は警戒を強め、手荷物は体の前面で所持する等注意してください。
 特にスーツケースとショルダーバック等を所持する旅行者はスリの格好のターゲットです。ショルダーバックやポーチはスーツケースの上に置かず、体にたすき掛けするとともに、体の前面で所持する等注意してください。
 また、被害軽減のため貴重品、特に現金やクレジットカードは一カ所にまとめず分散しておくことが有効です。
 盗難などの犯罪被害やトラブルに遭った場合には、以下のリンクもご参照ください。
 https://www.lyon.fr.emb-japan.go.jp/itpr_ja/trouble.html
 
2 在リヨン領事事務所が管轄するアルプス地方には、登山等を目的とした邦人旅行者が多く来られますが、登山中の滑落事故や、旅行中に病気となり入院、中には不幸にも旅行中に亡くなられたケースが複数報告されています。
フランスでの治療・入院費用や、フランスから日本への緊急移送には多額の費用が必要となりますが、事故等に遭われた邦人旅行者の中には、海外旅行保険に加入しておらず数百万円から一千万円を超える費用を自己負担することとなったケースがありますので、フランスに旅行される方には海外旅行保険への加入をお勧めします。
  海外旅行保険が付帯されているクレジットカードもありますが、補償金額が少ない場合や、補償が適用されるために条件が付されている場合もありますので、事前にクレジットカードに付帯されている海外旅行保険の補償内容や付帯条件をご確認ください。